法律コラム

Q&A<相続・事業承継>相続放棄の期間ー相続放棄の注意点を弁護士が解説します。

2022.12.27

相続放棄は、いつでも、できますか?もし、相続放棄の期間があれば、教えてください。

相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」3ヶ月以内に行う必要があります。ただし、この期間内にできない場合、相続放棄の期間を伸長するための手続もあります。もし不安があれば、お早めに専門家 (法律事務所等) に相談ください。

1. 相続放棄ができる期間

 相続放棄は、「相続人が自己のために相続が発生したことを知ったときから3ヶ月以内」に手続をしなければいけません。この3か月の期間を「熟慮期間」といいます。

 相続放棄をする場合は、この熟慮期間内に家庭裁判所に申述手続をする必要があります。この3ヶ月の熟慮期間、何の手続きもしないまま期間が経過してしまうと、その相続人は、単純承認したものとみなされます。

2. 熟慮期間の起算点

 この「相続人が自己のために相続が発生したことを知ったとき」とは、①被相続人が亡くなったこと及び②相続人となったことを知った日をいいます。

注意事項:
*未成年者や成年被後見人が相続人の場合、法定代理人 (親権者・成年後見人) が相続開始を知ったときから3ヶ月となります。
*被相続人の先順位の相続人 (配偶者や子) が全員相続放棄し、後順位の相続人 (亡くなった方の親や兄弟姉妹) に相続権が移転した場合、「後順位の相続人が自分に相続権が移転したことを知った時」から3ヶ月となります。

3. 熟慮期間の例外

 熟慮期間を経過した後は、原則として相続放棄は認められません。もっとも、以下のとおり、一部例外があります。

ア 熟慮期間が迫っていても相続放棄をするかどうか決断できないとき
この「熟慮期間内」に相続人が相続財産の状況等を調査しても、相続放棄をするかどうか決断できない場合には、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立を行うことができます。家庭裁判所に熟慮期間の伸長が認められると、その期間を伸長することができます。伸長が認められる期間はケースバイケースとなります (一般的には1~3か月程度) 。

イ 熟慮期間を過ぎた特別な事情があると認められるとき
熟慮期間が過ぎた場合でも、「相続財産が全くないと信じ、かつそのように信じたことに相当な理由があるときなどは、相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば」相続放棄が認められることもあります。

4. ポイント

  1. 相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」3ヶ月以内 (熟慮期間) に行います。
  2. 熟慮期間は、合理的な理由がある場合、家庭裁判所に伸長することができます。
  3. 熟慮期間を過ぎたときでも、特別な事情がある場合、相続放棄が認められることもあります。

5. 弁護士法人かける法律事務所 (”KLPC”) のサービスのご案内

 弁護士法人かける法律事務所 (”KLPC”) では、「相続放棄・申述手続の代行」のサービスを提供しています。  
相続放棄をするためには、相続放棄ができる期間内に様々な書類の収集や作成をする必要があります。また、相続放棄をするべきかどうか悩むケースもあり、法的判断が求められます。

 当事務所では、「安心を提供し、お客様の満足度を向上させる」という行動指針 (コアバリュー) に従い、各サービスを提供しています。少しでも不安がある場合、是非、お問合せください。お客様のご要望に応じて、迅速かつ最適な対応をさせていただきます。