相談内容(相談前の状況)
医療・福祉事業を営む依頼者が、事業上の支援として第三者から多額の金銭を受け取っていました。
その後、当事者間の関係が悪化し、相手方からその金銭の返還を求められるようになりました。
もっとも、当初の金銭交付について、貸付なのか、出資なのか、その他の趣旨なのかが明確に整理されておらず、依頼者としても返還義務があるのか判断できない状況でした。また、当事者同士での話し合いも難しくなっていたため、当事務所にご相談いただきました。
対応内容
当事務所は、まず金銭が交付された経緯や当事者間のやり取り、関係資料などを確認し、相手方の請求に法的な根拠があるのかを検討しました。
そのうえで、金銭交付の趣旨や返還義務が明確ではないことを踏まえ、相手方の請求どおりに全額を返還すべき法的根拠は十分ではないとして、依頼者側の考えを丁寧に説明しました。
その後、相手方も弁護士を代理人に選任したため、当事務所が依頼者の窓口となり、双方の主張や証拠関係を確認しながら交渉を継続しました。
一方で、話し合いで解決できなければ民事訴訟に発展する可能性もありました。依頼者には早期に問題を解決したいという意向もあったため、裁判になった場合の見通しや解決までに要する時間・費用、事業への影響なども踏まえ、現実的な解決条件を検討しながら交渉を進めました。
対応後の状況
交渉の結果、相手方の当初請求額から大幅に減額し、請求額の約3分の1の金額で和解を成立させることができました。
これにより、依頼者は当初の高額な請求にそのまま応じることなく、民事訴訟に発展することも回避し、早期に紛争を終結させることができました。
また、和解によって相手方との金銭関係を整理することができ、依頼者が本来の事業に集中できる環境を取り戻すことにもつながりました。
担当弁護士からコメント
事業上の関係では、信頼関係を前提として資金の提供を受けたものの、その金銭が貸付なのか、出資なのか、あるいは別の趣旨なのかが明確にされていないことがあります。
関係が良好な間は問題にならなくても、その後に関係が悪化すると、金銭の返還をめぐるトラブルとして顕在化することがあります。
このような場合、相手方から請求を受けたからといって、直ちに請求額の全額を支払うべきとは限りません。金銭が交付された経緯や当事者間のやり取り、契約書やメッセージなどの資料を確認し、法的な見通しを整理することが重要です。
また、法的に争う余地がある場合でも、必ず裁判をすることが最善とは限りません。訴訟になった場合の見通しだけでなく、解決までに要する時間や費用、事業への影響などを総合的に考え、一定の条件で早期に紛争を終わらせる方が依頼者にとって有益な場合もあります。
当事務所では、法的な請求の成否を検討するだけでなく、依頼者の意向や事業への影響も踏まえ、交渉による解決と裁判による解決を比較しながら、現実的かつ納得感のある解決方法をご提案しています。
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