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Q&A<破産&個人再生>破産手続における免責手続とは?

2022.09.28

仕事のストレスが重なって、ギャンブルのために消費者金融から多額の借入を行いました。ギャンブルが理由でも自己破産によって免責されますか?

免責不許可事由があるとしても、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して、免責される可能性があります (裁量免責) 。

1. 破産手続と免責手続

 一般に「自己破産」という言葉が用いられますが、「自己破産」の中には、法的には「破産手続」と「免責手続」という2つの手続が含まれます。

 「破産手続」とは、多額の借金を抱えて返済が困難になっている債務者が、裁判所に申し立てることにより、債務者の財産をお金に換えて、債権者に配当する手続です。

 一方、「免責手続」とは、責任を免れるという文字のごとく、破産手続によって債務者の財産をお金に換えて債権者に配当する代わりに、今後は一切、借金を返済しなくてもよいことにするための手続です。

 破産手続は財産を配当する手続、免責手続は借金返済の責任を免除する手続ということで、手続としては一応別のものになりますが、通常、個人の①破産手続と②免責手続は同時に申立てます。

2. 免責不許可事由

 破産手続において免責の可否を判断する際、「免責不許可事由」というものがあります。

 免責不許可事由とは、その名の通り、裁判所による免責が認められない事由であり、その具体的な例については、法律で定められています (破産法252条1項) 。法律で定められている免責不許可事由とその具体例は、例えば、以下のようなものです。

(免責不許可事由の具体例)

  1. 債権者を害する目的で、債務者の財産の価値を不当に減少させる行為 (1号)
    (例) 自動車を破産手続で処分されたくないため、友人に安く売却した。
  2. 信用取引によって商品を購入し、著しく不利益な条件で処分したこと (2号)
    (例) 借金の返済ができない状態にもかかわらず、クレジットカードでバッグを購入して、購入価格よりも安い価格で転売した。
  3. 特定の債権者にだけ返済する行為 (偏頗弁済) (3号)
    (例) 弁護士に破産手続を依頼した後、母親にだけ借金の返済を続けた。
  4. 浪費や賭博等による借金 (4号)
    (例) 高額な商品 (貴金属、宝石等) の購入、投資、ギャンブル等が原因となって大きな借金を作り、自己破産の申立てに至った。
  5. 詐術による借金や信用取引 (5号)
    (例) 既に借金の返済が困難な状態であるにもかかわらず、消費者金融に虚偽の収入を申告してお金を借りた。
  6. 業務及び財産に関する帳簿、書類等を隠滅し、偽造し、又は変造したこと (6号)
    (例) 会社の代表者や個人事業主が、破産手続の申立てに当たって、事業に関する帳簿を一部隠したり偽造したりして免責を得ようとした。
  7. 虚偽の債権者名簿を提出したこと (7号)
    (例) 一部の債権者を意図的に記載せずに債権者一覧表を作成し、裁判所に提出した。
  8. 裁判所の調査で説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと (8号)
    (例) 裁判所が求める書類の提出に応じなかった。
  9. 不正の手段によって破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと (9号)
    (例) 破産管財人を強迫したり、その指示に従わなかった。
  10. 免責許可の決定が確定した日等から7年以内に免責許可の申立てをしたこと (10号)
  11. 破産法で定められている破産者の説明義務、重要財産開示義務、免責調査協力義務に違反する行為 (11号)
    (例) 破産管財人に対する説明の中で、意図的に一部の財産を隠したまま手続を進めようとした。

 このように、免責不許可事由は様々なものがありますが、破産手続中は、求められた手続に対して誠実に協力する義務があり、裁判所への出頭や必要な書類の提出には応じなければいけません。

 借金の原因や経緯に問題がなくても、この誠実協力義務に違反することも、免責不許可事由に該当するので、注意が必要です。

3. 免責不許可事由あがっても、一切の事情を考慮し、免責が認められる可能性があること (裁量免責)

 もっとも、免責不許可事由に該当するものがあっても、必ず免責が認められないということではなく、「裁量免責」によって免責されることがあります (破産法252条2項) 。

 「裁量免責」とは、文字通り、免責不許可事由に該当するとしても、裁判所の裁量によって、結果的に免責を認めることをいいます。

 相談ケースのように、ギャンブル (パチンコや競馬等) のために消費者金融の多額の借入を行ってしまった場合、法律的には免責不許可事由に該当します。

 ただ、裁判所が破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると判断すると、免責が認められることになります。

 裁量免責を認めるかどうかは、個々の債務者ごとに、借入の経緯や内容、破産手続への協力の程度、反省の有無等を個別具体的に判断して決められることになります。

 ただ、実際には、免責不許可事由に該当する場合でも、その程度が過度でなく、素直に反省の意思を示せば、調査に協力すれば、裁量免責によって結果的に免責が認められることが大半です。
(裁判所の統計によると、裁判所への破産・免責申立のうち、最終的に免責まで至らない割合は全体の約2~3%程度です。)

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